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小泉 光生; 関 暁之*; 藤 暢輔; 長 明彦; 宇都野 穣; 木村 敦; 大島 真澄; 早川 岳人; 初川 雄一; 片倉 純一; et al.
Nuclear Physics A, 730(1-2), p.46 - 58, 2004/01
被引用回数:20 パーセンタイル:72.52(Physics, Nuclear)原研タンデム・ブースター加速器施設でZnビームのクーロン励起実験を行った。実験の結果、新たに2つのマトリックスエレメント及び2の四重極モーメントを得た。Znの構造を理解するために、Nilsson-Strutinskyモデルでポテンシャルエネルギー表面(PES)の計算を行った。その結果、PESは、2つの浅い極小値を持つことがわかった。1番目の極小値は、フェルミ面の下に軌道を含まず、2番目の極小値は、それを含むことがわかった。殻モデル計算との比較より、基底状態バンド及び侵入バンドは、それぞれEPSの1番目及び2番目に関係していると考えられる。基底バンドの励起エネルギーやの実験値は、3軸非対称モデル及びO(6)限界のIBMによって、ある程度再現できることがわかった。また、PESの浅い極小は原子核の形状がソフトであることを示唆している。以上より、基底状態バンドは、ソフトな三軸非対称変形していると考えられる。
小泉 光生; 関 暁之*; 藤 暢輔; 大島 真澄; 長 明彦; 木村 敦; 初川 雄一; 静間 俊行; 早川 岳人; 松田 誠; et al.
European Physical Journal A, 18(1), p.87 - 92, 2003/10
被引用回数:16 パーセンタイル:68.45(Physics, Nuclear)Pbターゲットに、原研タンデム・ブースターで加速されたZnビームを照射して、多重クーロン励起実験を行った。実験結果を最小自乗検索プログラムGOSIAで解析した結果、4つのマトリックスエレメントと、2準位の静電四重極モーメントを得ることができた。得られたより、基底バンドは準回転バンドと解釈できることがわかった。また、2準位が、正の静電4重極モーメントを持つことがわかった。実験結果、及び、Nilsson-Strutinskyモデルによる表面ポテンシャルエネルギーの計算結果より、基底バンドは、ソフトな三軸変形をしていると考えられる。
長 明彦; Czosnyka, T.*; 宇都野 穣; 水崎 高浩*; 藤 暢輔; 大島 真澄; 小泉 光生; 初川 雄一; 片倉 純一; 早川 岳人; et al.
Physics Letters B, 546(1-2), p.48 - 54, 2002/10
被引用回数:10 パーセンタイル:51.12(Astronomy & Astrophysics)Kr ビームをMo, Pb ターゲットに照射しクーロン励起実験を行った。最小自乗コードGOSIAを用いてKrの5つの低励起状態について6つの行列要素を求めた。2準位の四重極能率がはじめて得られた。実験で得られた四重極能率及びE2換算遷移確率は、N=50同中性子体の励起準位を系統的に再現した殻模型計算と良く一致している。
石川 法人; 岩瀬 彰宏; 知見 康弘; 道上 修*; 若菜 裕紀*; 橋本 健男*; 神原 正*; Mller, C.*; Neumann, R.*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 193(1-4), p.278 - 282, 2002/06
被引用回数:8 パーセンタイル:47.9(Instruments & Instrumentation)広い範囲のエネルギー(80MeV-3.84GeV)の重イオンを酸化物超伝導体EuBaCuOに照射し、電子励起効果による格子定数変化を測定した。その結果、高速イオン速度のときにのみ、照射による格子定数変化は、電子的阻止能の4乗則に従い、低速になると、その法則からずれてくることがわかった。さらに、初期イオン化率を用いて解析すると、そのずれが解消され、全てのイオン速度において初期イオン化率のみに依存する、いわゆるクーロン爆発モデルを示唆する振る舞いが観測された。
藤 暢輔; Czosnyka, T.*; 大島 真澄; 早川 岳人; 草刈 英榮*; 菅原 昌彦*; 長 明彦; 小泉 光生; 初川 雄一; 片倉 純一; et al.
Journal of Physics G; Nuclear and Particle Physics, 27(7), p.1475 - 1480, 2001/07
被引用回数:35 パーセンタイル:84.98(Physics, Nuclear)Geの内部構造及びGeとの系統性を調べる目的で、セーフエネルギー以下での多重クーロン励起実験を行った。実験は原研タンデム加速において、位置感応型フォトマルを用いた粒子検出器及び多重線検出装置GEMINIを用いて行った。Pbターゲット1.5mg/cmにGeビームE=300MeVのparticle- coincidence測定を行った。得られた実験データは、最小フィットコードGOSIAを用いて解析を行い、低エネルギー励起準位に関するE2行列要素を得た。特にその励起状態のQモーメント等を求めることによって、低エネルギーのほとんどすべての励起準位の構造を明らかにした。また、プログラムsigmaを用いてsumruleから励起準位のQ,cos(3)などの値も得て、その励起準位の変形に関する情報を得た。これらの物理量から、これまで得られていた励起準位構造とは異なる、基底バンド,バンド,イントルーダーステートから構成されていると解釈された。
藤 暢輔; Czosnyka, T.*; 大島 真澄; 早川 岳人; 草刈 英榮*; 菅原 昌彦*; 初川 雄一; 片倉 純一; 篠原 伸夫; 松田 誠
European Physical Journal A, 9(3), p.353 - 356, 2000/11
被引用回数:53 パーセンタイル:90(Physics, Nuclear)Geのセーフエネルギー以下での多重クーロン励起実験を行い、その励起状態のQモーメントなどを求めることによって、その核構造を解明した。実験は原研タンデム+ブースター加速器において、位置感応型フォトマルを用いた粒子検出装置及び多重線検出装置GEMINIを用いてPbターゲットでのGeビーム E=250, 300MeVのparticle-gamma coincidenceを測定及び、厚いPbターゲットを用いたGeビームE=250,300MeVのgamma single測定を行った。得られた実験データはχフィッティングコードGOSIAを用いて解析を行い、2MeV以下の殆どの励起準位のマトリクスエレメントを決定した。またsum ruleを用いて励起準位の,等からその変形状態を解明した。
春日井 好己; 池田 裕二郎; 山本 洋*; 河出 清*
Annals of Nuclear Energy, 23(18), p.1429 - 1444, 1996/00
被引用回数:24 パーセンタイル:86.7(Nuclear Science & Technology)13.3から15.0MeVにおける(n,p)反応の励起関数の系統性を調べ、質量数が18から188までの標的核について、14.0MeVでの断面積および傾きを表す経験式を提案した。式の導出には、原研FNS及び名大グループが系統的に測定したデータを用いた。14.0MeVでの断面積についての本経験式は、過去に提案された標的核の質量数が18から188までを対象とした式の中で最も精度の高い結果を与えた。励起関数の傾きの系統性については本研究が初めての試みである。本研究により励起関数の相対的な傾きが標的核の非対称度、反応のしきい値及びクーロン障壁に依存することが明らかになった。経験式を用いて求めた推定値と測定値を比較すると、70%の測定値が20%の精度で推定値と一致し、推定値は十分な精度であることが示された。
大島 真澄; 峰原 英介; 石井 三彦; 稲村 卓*; 橋爪 朗*
Journal of the Physical Society of Japan, 52(9), p.2959 - 2962, 1983/00
被引用回数:4 パーセンタイル:63.98(Physics, Multidisciplinary)変形奇核の1つであるErの高スピン状態を研究する目的で、タンデム加速器からの160-MeV Clイオンによる多重クーロン励起実験を行った。線角度分布、-同時計数の解析から新しい4個の準位を含む25/2までの基底状態回転バンド・メンバーが確立され、また線分岐比、多重極混合比の情報を得た。更に、コンプトン抑止型線分析器を用いて得られた線スペクトルの解析から新しく6個の励起状態の寿命が測定された。これらの情報から始状態が11/2から23/2までの絶対転移強度が求められた。その結果、準位エネルギー及びM1絶対転移強度は状態のスピンの増加と共に大きな不規則性を示した。特に、M1絶対転移強度は剛体回転模型の予言値から大きくずれることがわかった。このことは浜本が予言した回転摂動効果によるものであると示唆した。